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31st ACFE Global Conference : 講演「偶然の内部告発者」が非難する、企業の無責任さ
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31st ACFE Global Conference : 講演「Guardian Award は、母の遺志を護り受け継いでくれる」

2020年9月2日
31st ACFE Global Conference : 講演「Guardian Award は、母の遺志を護り受け継いでくれる」

The 31th Annual ACFE Fraud Conference and Exhibition

第31回 ACFE 年次総会 現地レポート:ACFE JAPAN 事務局


日時:2020年6月22日(月)~24日(水)
場所:オンライン開催

このページの内容について
  • Fraud Conference News に掲載されたレポートを ACFE JAPAN 事務局が邦訳したものです。
  • わかりやすさを優先させるため、意訳を行っています。ACFE JAPAN (一般社団法人 日本公認不正検査士協会) 公式の邦訳とは異なる表現を使用している場合があります。
  • 細心の注意を払い翻訳していますが、内容に誤りがある可能性があります。
基調講演 要約
Jules Kroll Lunch General Session Matthew Caruana Galizia Nicholas Thompson

基調講演:マシュー・カルアナ・ガリツィア (Matthew Caruana Galizia)

「Guardian Award は、母の遺志を護り、受け継いでくれる」とマシュー・カルアナ・ガリツィア (Matthew Caruana Galizia) は述べる

Matthew Caruana Galizia Says Guardian Award Will Help Continue and Protect His Mother's Legacy


「(ACFE が不正との闘いにおいて多大な貢献を果たしたジャーナリストに贈る) Guardian Award (守護者賞) は、母が取り組んできたことを認めてくれました。それは、個人の業績としてだけではなく、世界中にいる、ジャーナリストたちや、不正と戦う人たち、汚職や腐敗に抗議する人たちに残された遺志をも認めています」

第 31 回の ACFE Annual Global Fraud Conference (ACFE 年次総会) 2 日目の午前に行われた基調講演で、マシュー・カルアナ・ガリツィア (Matthew Caruana Galizia) 氏は述べました。


マシュー氏は、2017 年にマルタ島で起きた自動車爆破テロ事件で殺害されたジャーナリストであり、母である、ダフネ・カルアナ・ガリツィア (Daphne Caruana Galizia) 氏に代わって、2020 年の Guardian Award を受けとりました。
「母は、もう (自らを葬ろうとする) 害悪の及ばない場所 (訳注:天国) にいますが、Guardian Award は、母の生涯を掛けた仕事を表彰してくれました。そして、この表彰は、母の遺志を護ってくれます」


マルタにある自宅からバーチャルで講演したマシュー氏は、マルタを支配するエリート層の腐敗と、(母である) ダフネ氏による真実への執念深い追求が母に早すぎる死をもたらすまでの経緯について、詳しく説明しました。
「ちょうど 4 年前、私は世界を驚かせた報道の津波 (tsunami) の真っ只中にいました」


その津波とは、パナマ文書でした。パナマで法律事務所と企業支援を営むモサック・フォンセカ (Mossack Fonseca) から流出した、国際的な脱税と資金洗浄 (マネー ローンダリング) に関する広範な仕組みを解説する内部文書です。

パナマ文書は、世界中にいる 140 人の政治家や公務員が株式を有するオフショア会社 (租税回避会社)、200 を超える国々・地域にいる人々が絡む 214,000 を超えるオフショア事業体、租税回避地での (資金の流れ等の) 追跡を困難にするために会社を設立した大手銀行の存在を暴露しました。


この文書は、南ドイツ新聞 (Süddeutsche Zeitung) の記者によって暴露されました。しかしながら、彼らは膨大なデータを扱いきれず、国際調査報道ジャーナリスト連合 (International Consortium of Investigative Journalists; ICIJ) に助けを求めました。このプロジェクトに、ICIJ のソフトウェア エンジニアだったマシュー氏が抜擢されました。

ジャーナリストたちが文書を精査し、世界の反対側にある、マシュー氏の実家があるマルタで、(政界・実業界の) 大物 (tycoon) や、政府関係者、政治家、犯罪者の間を流れる、汚い金の巨大な地下河川を発見したとき、(マシュー氏の母である) ダフネ氏も、気付かないうちに関連する調査に取り組んでいました。
「大西洋の反対側にいた母と私は、それぞれが反対側の端からトンネルを掘り進み、そして、その真ん中で出会い、お互いに驚きました。私にとっても、そして、他のすべての人にとっても、それは、世界で例を見ない、過去最大の国際的な協働による報道プロジェクトの始まりであり、そして、これまで想像さえしえなかった事態を、私達の生活へともたらしうるものでした。特に私にとって、それはやがて、母の殺害へと至ります」


何年にもわたり、ダフネ氏は、2013 年にマルタ元首相ジョゼフ・ムスカット (Joseph Muscat) を政権へと押し上げた影響力と利権のネットワークについて、疑問を投げ掛け、調査していました。長い間、ダフネ氏は、首相に就いていた彼に最も近い人物、主席補佐官や大臣が、不正な活動に関与しているのではないかと疑っていました。

その活動とは、今日では、マルタの電力会社の民営化にまつわる泥棒政治的 (訳補:kleptocratic; 民のために使われるべきお金 (公的資金など) を権力者や政治家が自らの富や権力を得るために横領する行為を指す侮蔑用語) なキックバックのスキーム (手口・仕組み) であることが知られています。

「母が、パナマのペーパー会社 (shell companies) や、アラブ首長国連邦にある銀行口座、そしてアゼルバイジャン政府が関与したこのスキームを明らかにしたことが、やがて母の暗殺へと至ります。このスキームでは重要な役割を果たした (マルタの著名な実業家である) ヨルゲン・フェネック (Yorgen Fenech) は、母がこのスキームにおける彼の役割を暴こうとしたちょうどそのころに、母の暗殺を依頼しました」


2017年 2 月、ダフネ氏は、自分のブログ「Running Commentary」で、ドバイにある 17 Black Limited という謎の会社について書きました。彼女は、その会社はマルタの政治家と関係がある、と主張しました。

8 か月後、ダフネ氏は殺害され、これが彼女の様々な主張への関心を再び高めることになりました。ロイターなどのメディアが 17 Black 社の謎の解明を始め、そして、2018 年に、警察は自動車爆破事件に関連する 3 人の男を逮捕しました。2019 年には、ヨットに乗ってマルタから逃亡しようとしていたフェネックが逮捕されました。フェネックは、(ダフネ氏の) 暗殺の共犯の告発を否認しています。


「母が暗殺されたすぐ後、家族が集まる中で、母の殺害は、母を永遠に葬り去ろうとするための一端にすぎないことに気付きました」とマシュー氏は述べました。

次に行われるのは、ダフネ氏の遺志を葬り、人々 (国民等) を彼女 (の見解等) に対して否定的になるように仕向けて、彼女を追悼しようとする者や、彼女の暗殺や彼女が暴いた犯罪について調査を行い、正義のために闘おうとする者たちに対する、嫌がらせや脅迫であると気付きました。

「私たちに (母を) 追悼する時間はありませんでした。私たちの闘いは、彼女が暗殺された次の日から始まりました」

ダフネ氏の家族や、友人たち、マルタや国際的なメディアにいる彼女の協力者たちは、ダフネ氏が殺されて喜んでいる人たちがいること、そして、ましてや彼女が「家族の目の前で粉々に吹き飛ばされる」ような残虐な方法で殺されたことを、ことさらに喜んでいる者がいることを、受け入れなくてはなりませんでした。
「これは、(訳補:汚職・腐敗を行う者たちによる) 30 年にわたる組織活動が、母が取り組んでいたことを歪めようとして行った露骨な結果であり、この活動は、それに抗議する母が亡くなった現在でも続けられています。その事実に直面しなくてはならないことが、私たちにとってはとても辛いことです」


ダフネ氏が取り組んできたことや彼女の暴いた汚職や犯罪が人々の記憶からなくなることを期待して、ダフネ氏を忘れさせようとする取り組みが繰り返し行われてきました。(マルタ) 政府は、職員や支援者たちに (訳補:彼らの立場で言う) 正義のために闘おうと呼び掛け続けています。


ダフネ氏が亡くなった日、彼女が殺されたことに精神的な苦痛を抱き、おそらくショックを受けて働いていた若者たちのグループが、マルタの首都バレッタの裁判所の向かいにある記念碑に、彼女を偲んで花を添えていきました。その花は、抗議の記念碑へと変わっていきました。ダフネ氏の月命日である毎月 16 日には、彼女を讃え、正義を訴えるために、人々が集まります。(その一方で) その抗議記念碑は、100 回を超えて壊されています。

「私自身、個人的に、その記念碑が壊される様を目撃しています。そのときは、母が暗殺されたことに次いで、とても辛く、とても苛立たしく、そして、とても憤慨しました」


怒りと悲しみの最中、マシュー氏は母の仕事を引き継ぐためにマルタへと戻りましたが、状況は母が殺害されたころと変わらず、依然として困難なままであるとマシュー氏は言います。
「この賞が、私の家族が置かれた状況や、私の国の状況、一般的な汚職の闘いに、どのような変化をもたらすことができるのかと、人々は尋ねます。この賞は、正義を勝ち取るために、このような汚職と戦うために、そして、自分がいる場所からわずか数百メートルのところで、汚職を暴いた人たちが、冷酷に白昼堂々と殺されることを許すマルタのような政府に責任を問うのに、とても役立ちます。それは、自由に発言できる権利、知る権利、報道のための能力を保持する権利、司法の権利という、亡き母が闘い求め続けてきた権利でもあるこれらの普遍的な価値について、声を張り上げて擁護しようとしている人々を護ることができていないということを、この賞を通じて、世界に知らしめてくれます」

「法執行機関に影響力を持つ権力者たちは、マルタにある多くのメディアを支配しています。国営放送を支配しています。そして、マルタにいるたくさんの仲間たちの思考に影響を与えています。彼らは、母に、裏切り者だとか、魔女だとか、フェイク ニュース (虚偽のニュース) の御用達だとか、汚名を着せていきました。母をヘイト ブロガー (悪意ある記事執筆者) と呼び、政府は公式の場でさえこの言葉を繰り返しています。実際、政府は、母が暗殺されたことを、犠牲者の責任 (自業自得) と非難しています」


「だからこそ、私たちにとって、Guardian Award はとても重要なのです。母の名声と遺志が討ち滅ぼされてしまったなら、母が調査した犯罪者と汚職関与者、そして、母の暗殺に責任を持つ者たちが勝利したことになり、母が懸命に護ろうとしていた普遍的な価値は失われ消えてしまうでしょう」


亡き母の名で表彰を受けるにあたり、マシュー氏は、マルタやその他の場所にいる、母の遺志を継ぐ、すべてのジャーナリストたちを代表して、これを受け入れました。
「母について話してくれる、語り継いでくれる、世界中のすべてのジャーナリストたちを代表して、また、母のことを覚え続けていてくれて、個人的なリスクを顧みず、正義のために活動を続けてくれる、すべての人たちを代表して。彼らは、母の名声を護り、また、母の遺志の一部にもなっています」


「母の死に関する刑事裁判はどうなるかわかりませんが、Guardian Award は、私と私の家族に、とても心の慰めとなる別の種類の正義をもたらしてくれます。母が取り組んできたことが、社会に残されるべき遺産であり、母の暗殺は、母が護ってきた普遍的な価値に対する犯罪であると認めてくれます」


「父、兄弟、そして母の親戚一同を代表して、私は ACFE に感謝したいと思います。私たちは、Guardian Award を受賞したことを、とても、とても光栄に思います」

補足

Guardian Award を受賞したダフネ氏とマシュー氏については、“Fraud Magazine” May/June 2020 号の “Daphne’s message lives on” [英語] でも取り上げています。
ACFE JAPAN 会報誌「FRAUD マガジン」では、VOL.75 (JULY/AUGUST 2020) 号に邦訳記事「ダフネのメッセージは生き続ける」を掲載する予定です。(新型コロナウイルスの影響により本部との作業に遅延が生じたため発行が遅れています。この号は 2020 年 10 月上旬発行予定です。)

著作・翻訳
  • 原文:reported by Emily Primeaux, assistant editor of Fraud Magazine.
    https://www.fraudconferencenews.com/home/2020/6/23/matthew-caruana-galizia [英語]
  • 翻訳:ACFE JAPAN 事務局 ( T.Minoshima / M.Matsushita )
 

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