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有罪または無罪宣告をせずに報告書を書く

2021年5月26日

執筆者:John Gill, J.D., CFE, Vice President - Education

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私はACFEで25年以上働いていますが、答えを追求し続けている疑問があります。不正検査士はどうやって有罪宣告あるいは無罪宣告を避けているのでしょうか?


これは非常に扱いにくい問題です。不正検査士は様々な分野で活躍していて、鑑定人なのか、それとも法執行機関や監査人なのかによってもルールが微妙に異なるでしょう。

この問題を解決するために、基本原則に立ち返り不正検査士マニュアルでこのテーマを扱っている章を読み返してみましょう。

有罪宣告または無罪宣告の基本原則


CFE (Certified Fraud Examiner;公認不正検査士)を優れた記者だと考えてみましょう。CFEは、「これが判明した事実です」と報告書に書きます。不正検査士ではない人なら、報告書を読み決定を下すでしょう。CFEの責任は決定に資する証拠を提示することです。そうは言っても、判明した事実が何を意味しているのか説明することが適切な場合も多いでしょう。


バーナード・マドフ (訳注:アメリカ史上最大の巨額金融詐欺の首謀者として2009年に禁錮150年の実刑判決を言い渡され、2021年4月ノースカロライナ州の刑務所で死去した)を例に考えてみましょう。「マドフはポンジ・スキーム(訳注:いわゆる「ねずみ講」。1920年代のアメリカ人詐欺師、チャールズ・ポンジが由来)を行ってたのか?」と尋ねられたら、あなたは「個人的見解ですが、彼はポンジ・スキームを行っていました」と答えるでしょう。そしてあなたがどんな立場の人物であるか、ポンジ・スキームに見識を持っているのか、そしてあなたがマドフは有罪だと言うかどうか、皆の注目が集まるでしょう。しかし、あなたが提示すべきは次の事柄です


  • マドフは他人から金銭を集めた
  • 被害者は、マドフが集めた金を投資していると考えていた
  • マドフは集めた金を投資していなかった
  • マドフから被害者に配当として支払われた金は、別の投資家の金だった

あなたは、「マドフの行動は典型的なポンジ・スキーム実行犯と一致します」と証言できます。ポンジ・スキームの条件を列挙することもできるでしょう。そうすれば、読者は犯罪の構成要件と事実が一致することを理解できるでしょう。ポンジ・スキームの構成要件は何か。マドフが何をしたのか。そしてそれらが一致するというように、結論はわかりやすくするべきです。


マドフを有罪だと断言することからはかけ離れています。有罪か無罪かの判断は、刑事司法制度の中で行われるものです。私には、誰かが有罪であると宣告することはできません。それでも証拠に基づいて事実を述べることはできますし、事実が証明されたなら法に違反していると読者に説明できます。


しかしそれ以上のことはできません。そして、あなたの報告書に誰かがお金を払っていることを忘れないでください。あなたの雇用主やクライアントのポリシーと一致していることを確認する必要があります。例えば、監査報告書や法執行機関の報告書は特定の状況において適切かどうかのルールが異なります。

マニュアルの参考箇所


不正検査士マニュアル英語版(2021年版、未邦訳) から、参考にできる箇所をご紹介しましょう。

Opinions Regarding Guilt and Innocence (Fraud Examiners Manual, 2021, p. 4.1016):


「Additionally, this rule prohibits ACFE members from making statements of opinion as to the guilt or innocence of any person or party. Determining whether a person is guilty or innocent of a crime is not a decision for fraud examiners; it is a decision reserved for a judge or jury.(さらにACFE会員はいかなる個人または第三者に対しても無罪または有罪の意見表明をすることは禁じられている。有罪か無罪かの決定は、CFEではなく司法や陪審が行うものである。)」


(訳注:不正検査士マニュアル 2015年 インターナショナルエディション 日本語版 第2章法律2.1027「有罪性に関する意見の表明」にも同様の記述があります。)

これは慎重さに関するルールです。不正検査士が司法や陪審の役割を担うことについて慎重でいた方がよいのは明らかです。法廷では、優秀な弁護士はそういった結論を不正検査士に要求しませんし、判事がそのような証言を不正検査士に許可することもありません。

報告書のレベルを一段階上げる


CFEにとって、報告書の作成は不正検査において欠かせないプロセスです。強力な報告書は証拠を伝達し、不正検査とあなたの業務に信頼を与えます。不正検査は何を明らかにしたかではなく、情報の提示方法によって審査されます。


報告書の出来で次の不正検査の仕事の機会を失うことのないよう、ACFEは報告書作成について独学で学べるコースを提供しています。Report Writingコースは、専門家のtipsを活用して報告書作成のプロセスを徹底的に見直すことができるほか、これからの不正検査で活用できる報告書のサンプルもダウンロードできます。(訳注:米国ACFEの提供するコースのため、英語での提供となります)


受講する

英文タイトル :How to Write a Report Without Declaring Guilt or Innocence
英文記事リンク:https://www.acfeinsights.com/acfe-insights/how-write-report-without-declaring-guilt-or-innocence

原文掲載日:2021年4月27日

翻訳:ACFE JAPAN事務局

※わかりやすさを優先させるため、意訳を行っています。ACFE JAPAN (一般社団法人 日本公認不正検査士協会) 公式の邦訳とは異なる表現を使用している場合があります。
 

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