logo_pcacfe2020_logo_stickylogo_splogo_pc
  • ACFE / CFEのご紹介
  • 研修・教材
  • 入会案内
  • 法人会員
  • お知らせ
  • お問合せ
  • CFEナビ
  • 会員ログイン
✕
  • Home
  • すべてのお知らせ
  • 犯罪学コラム
  • 犯罪学コラム #21 放火と不正
犯罪学コラム #20 スタンフォード監獄実験に学ぶ、企業不正
2018年1月17日
犯罪学コラム #22 ギャンブルと不正
2018年4月11日
お知らせ一覧

犯罪学コラム #21 放火と不正

2018年2月28日

今回は、会報誌 FRAUD マガジン VOL.60 の記事「命取りとなる、放火と不正の結合 (Arson and fraud mix in a deadly combo)」を絡めて、放火と不正の関係について取り上げよう。

なお本稿は、会報誌をお持ちでない方々にも配慮している。

Arson and Fraud ?


犯罪学コラム #21 放火と不正

放火と不正? 何の関係があるの? と首を傾げる方も多いだろう。

放火の調査と不正の調査には類似点が多く、たとえば放火の疑いが強い事件において、放火調査官は不正検査士が調査を行うように、なぜ犯人は罪を犯したのか (放火をしたのか) について、犯罪学的・法科学的な (鑑識の) 観点から考察する。

言い換えるなら、放火が疑われる事件にあたる放火調査官は、その全貌を暴くために「動機」の理解と理論の構築から着手する。これは不正検査と同じである。(「動機」については「#19 「不正のトライアングル」構成要素のひとつ「動機」について」で取り上げているのでご覧いただきたい。)

放火について (About Arson)


犯罪学コラム #21 放火と不正

Bartol によると、放火とは「故意かつ悪意のある、財産の燃焼。家屋、公共建物、車等、個人的財産を含む」(p.463 より著者拙訳) とされ、Bartol および FBI の犯罪分析マニュアルでは、その目的として次の 6 分類が挙げられている。

  • 怨恨や嫉妬などによる復讐
  • 悪意を伴う破壊
  • 犯罪隠蔽や偽装工作
  • 利益や保険金を得る経済的目的
  • 脅迫、強要、テロリズムなどの政治的目的
  • 火・炎への強い執着や興奮による快楽目的

※Bartol (pp.466-467)、FBI 犯罪分析マニュアル、などから筆者まとめ

自らの利益を得るための放火は、ほとんどの場合「経済的目的」による。しかし、厳密には「犯罪隠蔽や偽装工作」を含めてもよい。なぜなら、横領など自らの犯罪の証拠を隠蔽するために放火という手段を取る犯罪者もいるからだ。

非個人化 (Depersonalized)


強い権力を持つ看守役を与えられた人間と、隷従させられるばかりでまったく権力を持たない囚人役を与えられた人間が、限定された空間内に置かれると、次第に歯止めが利かなくなり、暴走し始める。

スタンフォード監獄事件で着目すべき点は、それぞれの立場の違いが個人の有する性格や人格を上回り、特定の振る舞いを促すというところである。

これを「非個人化 (Depersonalized)」という。

犯罪学コラム #21 放火と不正

実験中の様子:壁に手を突いて整列する囚人役と、その様子を見る看守役
©1999-2018, Philip G. Zimbardo (Stanford Prison Experiment ( PrisonExp.org ) より)

この作用は、狭い刑務所でのみ起きるものではなく、職場のような場所でも生じうる。上司、部下、同僚、取引先のような仕事上の関係が固定された状態で毎日が繰り返されており、その関係が個人の振る舞いに影響を与えるのは想像に難くない。

つまり、企業内で強い権利を持つ経営者や管理職のような者は、正しい倫理観・価値観で自らを律し続けないと、いずれその関係性から本来の自分では取りえないような振る舞いを取り兼ねないのである。

皆さんの職場にいる人、いや、皆さん自身も、そのような影響を受けていないだろうか?

是非とも一度、確認してみて欲しい。

株式会社ディー・クエスト 公認不正検査士 山本 真智子

参考文献


  1. Mary Ellen Mastrorilli (2012).
    Week 1 Study Guide: An Introduction to the Discipline of Research.
    http://vista.bu.edu/webct/urw/tp0.lc5116011/cobaltMainFrame.dowebct [注:一般には公開されていません]
  2. Peter B. M. Vranas (2009).
    "Against Moral Character Evaluations: The Undetectability of Virtue and Vice"
    The Journal of Ethics, September 2009, Volume 13, Issue 2-3, pp.213-233
    http://dx.doi.org/10.1007/s10892-009-9054-2
  3. Candace L. Upton (2009).
    "Virtue Ethics and Moral Psychology: The Situationism Debate"
    The Journal of Ethics, September 2009, Volume 13, Issue 2-3, pp.103-115
    http://dx.doi.org/10.1007/s10892-009-9049-z
  4. George M. Slavich (2009).
    "On 50 Years of Giving Psychology Away: An Interview With Philip Zimbardo"
    Teaching of Psychology, Vol.36, pp.278-284
    http://dx.doi.org/10.1080/00986280903175772
 

Pick UP

  • Newsヘッドライン
  • 犯罪学コラム
  • 最新米国トピックス
  • 事例で学ぶ有効な不正対策
  • 理事長対談・理事コラム
    • 理事長対談
    • 理事コラム
  • イベントレポート

おすすめコンテンツ

  • CFEナビ
  • Youtube チャンネル
  • 不正対策eラーニングe-Fraud
  • 不正対策ウェブセミナー
  • メールマガジン登録
ACFE JAPAN / 一般社団法人 日本公認不正検査士協会
ACFE のご紹介
  • ACFEのご紹介
  • ACFE 本部 組織概要
  • ACFE JAPANのご紹介
  • ACFE JAPAN 入会案内
  • ACFE JAPAN 法人会員
  • ACFE JAPAN 会員活動
  • 事務局からのお知らせ
CFE について
  • CFE について
  • CFE の概要
  • CFE 資格要件
  • CFE 資格試験
  • CFE資格認定申請
  • CFE 資格維持
研修・教材
  • 研修・教材一覧
  • ウェブラーニング
  • CPE クイズ
  • 不正検査士マニュアル
  • 入会教材セット
  • カンファレンス(年次総会)
  • 研究会のご案内
  • 会報誌「FRAUDマガジン」
  • 資料ダウンロードライブラリ
  • 不正対策関連書籍
規約等
  • 定款
  • ACFE JAPAN参加規約
  • 特定商取引法による表記
  • プライバシーポリシー
  • SNS コミュニティガイドライン
  • 銀行口座のご案内
  • 請求書・領収証のご案内
  • 業務委託について
会員ログイン

会員ログイン

会員ライブラリ

サポートセンター

よくある質問

お問合せ

Copyright © ACFE JAPAN. All Rights Reserved.