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行動経済学で不正な取引を検出する4つの方法

2021年9月29日

執筆者:Debanjan Chatterjee

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効果的な詐欺対策ソリューションを設計するには、詐欺師の心理をしっかりと理解する必要があります。加えて、認識、感情、文化や社会的な側面をしっかりと把握することが犯罪者の手口を解読するのに大変役立ちます。


ここで行動経済学が登場します。行動経済学は個人の意思決定プロセスや様々な感情、認識能力や性格によってどのように選択が異なるのかについて研究するものです。


不正リスクの文脈では、こうした機微が幅広い犯罪の傾向を明らかにできる可能性があり、組織の詐欺対策ソリューションの設計を促進できます。ここでは不正な取引を発見するのに役立つ行動経済学のアイディアを4つ紹介します。

1.損失回避

我々の損失に対する反応は、利益に対する反応よりも強烈だということが研究から示唆されています。つまり、人は本質的に損害を受けることを嫌っているということです。“Advances in prospect theory: Cumulative representation of certainty” という研究の中で、著者は予想される失望が人々の行動にどのように影響するかを分析しています。


事例

増え続けているクレジットカード関連の詐欺は、サイバー犯罪者が盗んだカード情報を売っているダークウェブ上のマーケットまでさかのぼって追跡できます。詐欺師はこうしたデータを購入して物品の購入を試みカードの利用額の上限まで使おうとします。カード取引を拒否することにより、結果として詐欺師がこうしたデータの入手に費やした金を失う可能性を浮き彫りにします。損失を見越した犯罪者は、盗まれたカード情報を繰り返し入力して自分が投資した金を取り戻そうとします。カード取引の拒否に対するこうした行動は、もう一度試してみてから別のカードを使おうとするだろう本物の消費者とは根本的に異なります。カード取引についてのこうした行動を追跡しフラグを立てることで、不正行為を検出できるでしょう。

2.アンカリング効果

これは個人の決定が特定の基準点や「錨(アンカー)」によって影響される認知バイアスです。詐欺ではない例を紹介すると、企業が高い商品と安い商品を並べて陳列し、消費者が高い商品をある種の基準として考えるように影響を与える手法があります。この手法は、安い商品が持つ実際の価値とは関係なく、安い価格が魅力的に感じられます。


事例

不正な取引を調べる時、詐欺師が最初に承認された不正取引量を基準として金額が徐々に増えていくのを目の当たりにする可能性があります。同様に、拒否された取引では犯罪者が銀行の不正検知システムに引っ掛からないようしきい値をわずかに下回る金額を試すため、徐々に下がる傾向が現れます。連続した取引におけるこうしたパターンは、取引量が時間の経過とともに厳密に増えたり減ったりせず、カード名義人のニーズによって異なる正当な利用とは別のものです。

 アンカリングバイアスもまた、犯罪者が高額の取引を試みるのを思いとどまらせるために、最初の取引で不正を特定する重要性を浮き彫りにしています。

 興味深いことに、複数の研究で通常、a)内向的、b)専門知識がなく認知能力が低い、c)自信過剰、を示す人間がこのバイアスを示すことが多いとされています。

 詐欺組織の一員の詐欺師は認知能力が高いことが予想されます。従ってデータからこうしたパターンを見つけ出すことは包括的なプロファイルに活用できるでしょう。

3.心理的プロファイリング

行動経済学の研究には、消費者の心理を理解するための様々な実験があります。従って商品の使用パターンが、認識されている消費者のプロファイルと一致しなければアラートを出す不正検出システムにこの知見を活用できます。


事例

詐欺の可能性があるものは次の通りです。


  • リスク回避的な消費者が仮想通貨交換所での大量購入にクレジットカードを使う
  • 決まった生活を好むカード所有者が不規則な時間帯に日常の食料品を購入する
  • 金銭的に慎重で節約に関心のある消費者が高級品にお金をかける

4.権威バイアスと認知の過負荷

世界に新型コロナウイルスが出現した直後 、ソーシャルエンジニアリングやフィッシングを利用した詐欺や機密情報の盗難が劇的に増加しました。

参考:Covid-19 Benchmarking Report December Edition.pdf(22.4MB)

犯罪者は保健当局者やワクチン提供者に成りすまして人々を騙しています。次に紹介する要素によって騙されやすさが異なります。


権威バイアス :専門家のように見える人に影響されやすい傾向。銀行のマネージャーや医者、投資の達人といった権威のある人物になりすました人を信用してしまいます。


認知の過負荷 :詐欺師は恐怖と緊急性の幻想を作り出すことがあります。この戦略は、精神的な能力に過度のストレスを与え、理性を欠いた行動に向かわせて詐欺の餌食となってしまいます。


事例

組織は、対象を絞った消費者教育プログラムを策定するために、上記で紹介した影響を特に受けやすい消費者を特定して特別な取り組みを実施することをお勧めします。

今何をするべきか

詐欺師の手口はあっという間に変容していくことが知られています。新しいIT技術、地政学的方程式の変化、新しい金融商品、法的な状況の移り変わりなど、どれもが犯罪者を優位にする重要な役割を果たしています。ますます複雑になる環境の中で、行動経済学のようなツールは、不正と闘う人々が詐欺増殖のニュアンスに対する洞察を収集するのに大いに役立つでしょう。


Debanjan Chatterjeeは、不正リスクマネジメントの専門家であり不正防止ソリューションの開発に13年以上携わっています。

英文タイトル :4 Ways to Detect Fraudulent Transactions Using Behavioral Economics
英文記事リンク:https://www.acfeinsights.com/acfe-insights/4-ways-detect-fraudulent-transactions-using-behavioral-economics

原文掲載日:2021年7月30日

翻訳:ACFE JAPAN事務局

※わかりやすさを優先させるため、意訳を行っています。ACFE JAPAN (一般社団法人 日本公認不正検査士協会) 公式の邦訳とは異なる表現を使用している場合があります。
 

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