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犯罪学コラム #02 ロンブローゾ、犯罪者と体格 (骨相学)

2016年6月8日

ロンブローゾ、犯罪者と体格 (骨相学)


チェザーレ・ベッカリーアを筆頭に、数々の理論が登場した。その中の一人、ロンブローゾは生物学理論を提唱し、「犯罪者」を理論的観点から解説することに成功した最初の人物である。

ロンブローゾと生物学理論 (骨相学) ができるまで... Born to be wild.


ロンブローゾ (Cesare Lombroso 1835-1909) は、イタリア、ヴェローナに生まれ、当時、人種差別により、ユダヤ人が高校へ通うことが許されていた地域は限られていたが、その数少ない地域で高校に通っていた。高校卒業後、彼は、パヴィア大学の医学部に進学し、1858年に医師免許を取得した。その後、軍の内科医として勤務し、また、いくつかの病院の精神科医も兼務した。1876年から晩年は、トリノ大学の教授、学者として、沢山の医学生、献身的な二人娘のジーナとパオラ、義理の息子であるウィリアム フェローとともに、ダーウィンの初期進化論モデルをベースに、生物学的枠組みから「犯罪」を検討した。そして、特に骨相学に関連して、"頭蓋骨フィーラー"というニックネームをつけ、犯罪者の脳内の異常性についての研究成果を発表した。彼の死後、娘のジーナが父の意志を受け継ぎ、また、義理の息子ウィリアムも、父の意志と知識を応用して女性犯罪者に焦点を当て、その研究における先駆者となった。

生前、ロンブローゾは、犯罪者の検死を行っている最中、珍しい頭蓋骨の陥没を発見し、これらは、齧歯動物、鳥類、ヒヒ、サル (テナガザルなど) に近い形をしていることを発見していた。

後に彼の娘ジーナはこう語っている。

「父は私にこう言っていました。"頭蓋骨の見方として、私は、一度に頭蓋骨全体を見る。それは、広大な平野を燃えるような空から見下ろす感覚で見ていた。そして、彼らの頭蓋骨を見ながら、肉食獣に近い人間、つまり原始的な野蛮人間だけでなく、原始的な彼らの時代までさかのぼり、彼らが人類に進化する過程において、文明特性の再現を行っているように、犯罪者の問題と向き合っていた"と」。

つまり、ロンブローゾは犯罪者の検死を通じて、生来性犯罪者についての考察、すなわち骨相学 (Physiognomy) をすでに行っていたのである。

そして、初期の研究において、"すべての犯罪者は、隔世遺伝的=先祖返り的"であることを発表し、次の絵を例示して、隔世遺伝犯罪者の顔の特徴を述べる。

犯罪学コラム #02 ロンブローゾ、犯罪者と体格 (骨相学)

チェーザレ・ロンブローゾ[図1]


「こう見てみると犯罪者は相対的に類人猿似?との見解も出てくる」

「犯罪者」を生物学理論で実証するための土台はこのストーリーにあった。そして、これが「犯罪者」を理論的観点から解説することに成功した最初のストーリーである。
後に生物学的観点から犯罪行動を述べる理論が誕生し、その後、心理学的特性を唱える精神分析理論、社会学的特性を唱える社会学理論などの理論が登場する。
また、分化的接触理論を提唱したサザランドは、犯罪を社会学的な観点から述べるため、生物学、心理学および他の分野からの関連付けを切り離して理論を唱えた。

犯罪学コラム #02 ロンブローゾ、犯罪者と体格 (骨相学)

犯罪者の顔付きを示した絵[図2]

犯罪者と体格は関係あるのか?


ロンブローゾが提唱した生物学理論から、各学者達は様々な研究を行った。そのなかに犯罪者と体格について研究した者がいる。

1940年代、アメリカの心理学者ウィリアム・シェルドン (William Sheldon 1898-1977) は、"非行少年の種類"という書物において、ボストンの更生施設に入所している200人の非行青年を対象に、生物学的アプローチから"犯罪者と体格"について、ソマトタイプ (体型分類) を発展させた。

シェルドンは、身体的、心理学的特性から"体格"について次のように分類し、気質は体型と関連していると提唱した。

体型図[図3] 内胚葉型 (肥満型)
(Endomorph)
中胚葉型 (筋肉型)
(Mesomorph)
外胚葉型 (痩せ型)
(Ectomorph)
身体的特徴
ふっくら、小太り、
ソフトで丸みを帯びている
筋肉質 (大きい胴、
筋肉の付いた胸部・腕脚)
前かがみ、華奢、貧弱
心理的特性 社交的、寛容、平和主義 活動的、自信家、強硬、闘争的、
人間関係に冷淡
物静か、虚弱、自制心、
繊細、シャイ

シェルドンの研究は、非行に走った青年は中胚葉型 (筋肉型) が最も多く、外胚葉型 (痩せ型) が最も少ないという結果に至った。身体的、心理的特性を3つ比較してみても、非行に走る青年は、多少攻撃性のある特性が見受けられる。

彼の研究は、特定の犯行を行う犯罪者の体型について述べるには弱いが、彼はロンブローゾの生物学理論を発展させ、犯罪学における人類学を形成し、犯罪者と体格についての理論を展開したのである。例外もあるが、おそらく、犯行人物を予想するという点において、今日においても参考資料となりうるであろう。

次回は、分化的接触理論を提唱した、サザランドとホワイトカラー犯罪というタイトルでお話する所存です。
株式会社ディー・クエスト 公認不正検査士 山本 真智子

文中注釈
  • [図1]:参考文献 1. より引用, CORBIS-BETTMAN 撮影
  • [図2]:Cesare Lombroso 著作物掲載画像を加工
  • [図3]:参考文献 1. より引用

参考文献


  1. Brown, S., Esbensen, F. & Geis, G. (2010). Criminology: Explaining Crime and Its Context, Seventh Edition. New Providence, NJ: Matthew Bender & Company, Inc.; pp.196, 203-204
  2. James A. Inciardi (2001). Criminal Justice 7th Edition. McGraw-Hill Humanities/Social Sciences/Languages; pp.48
  3. Sheldon's Personality Theory - Psychology of Personality Period 8
    https://sites.google.com/site/psychologyofpersonalityperiod8/home/type-and-trait-theories/sheldon-s-personality-theory
 

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