最終更新日:2014-06-19

第25回 ACFE年次総会レポート(2日目)

ACFE JAPAN 理事長 濱田眞樹人 による現地レポート

2日目(6月17日 火曜日)

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 ACFEの創立に影響を与えた犯罪学者Dr. Donald Cresseyに因み、生涯をかけた不正の防止と発見への貢献者に与えられるCressey Awardの今年の受賞者はMartin Kenney & Co.のManaging Partner であるMartin Kenneyです。2日目の朝の基調講演は不正検査と資産の回収を得意とする弁護士である彼によるものでした。Baring 銀行のトレーディングの巨額損失の調査からブラジルにおける巨額倒産詐欺まで、国境を越えた支払不能や複雑な商業訴訟まで、幅広いInternational Asset Recovery Expert(国際的な資産回収の専門家)として有名です。実に様々な手を尽くして、調査をするだけではなく、出来る限り回収するという意思が素晴らしいプレゼンテーションでした。
 

 2日目午前中の分科会はMGM Resorts Internationalの内部監査担当の上級副社長であるBob RudloffによるAnti-Corruption Compliance: A Global Challenge(腐敗行為防止のコンプライアンス-世界的な挑戦)に参加しました。米国のForeign Corrupt Practices Act (腐敗行為防止法:FCPA)の執行は厳しくなるなかで、国際的に事業を展開する企業の対応は難しくなっています。各国の腐敗防止に関する法執行が異なる環境下で、経営者がいかにリスクを減少させる戦略を立てる事の重要性を力説しました。

 

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 Working LunchはCyber犯罪防止の専門家であるMarc Goodman による基調講演です。国際警察機構、国連、NATO、LA警察、米国政府とも協働してきた彼は、ITC技術の発達により犯罪も飛躍的にサイバー犯罪のリスクを増やしたことを強調しました。PC、携帯、SNS、Big Dataがどの様に犯罪やテロのリスクを創り出しているのかについての素晴らしいプレゼンテーションでした。最後に挙げられたサイバーリスクに対して個人でできる事、会社でできる事を共有しましょう。
 午後の分科会の前半は内部監査に関するPanelディスカッション"Is Fraud Risk Being Taken Seriously Enough(不正リスクは真剣に考慮されているか)"です。USAAのInternal AuditのVPであるJeff Rowlandをモデレーターとして、以下のパネリストが登壇しました。
Douglas Harris, Senior Director of Forensic Audit, Oracle(内部監査人員50名)
Heiko Giesburg, Director of Financial and Operational Audit, Loews Corporation(22名)
Kim Fleischmann, Senior Auditor of Global Internal Audit, Wall Mart(400名)
Robert Rudloff, SVP of Internal Audit, MGM Resorts International(50名)
 フロアの参加者から、内部監査に関する様々な質問がなされましたが、それらの質疑応答を通して、参加したパネリスト達の業種も規模が大きく異なるので、リスクベースの監査を行う上での不正リスクの種類や規模もかなり異なることが分かります。また、不正リスクが時代とともに変化しているものであることも分かりました。しかしながら、内部監査部門が(取締役会の)監査委員会とコミュニケーションを取りながら、不正リスク評価を行うという基本的な努力は等しいものでした。また、経営者とともにいかに正しい会社の環境を整えていくかが大きな挑戦であるという合意も共有されました。
 
 分科会の後半は、Hetherington GroupのPresidentであるCynthia Hetheringtonによる"Business Background Investigations: Preventing Fraud(不正を防止する身元調査)"に参加しました。取引を始める前に相手方の調査が重要であることを強調し、有料・無料のサービスを紹介してくれました。
 米国では様々な公的情報を取るウェブツールが用意されていることには驚きました。例えばBRBPublicatios.com( https://www.brbpublications.com/Default.aspx )やSerchSystems.net( http://publicrecords.searchsystems.net/ )では、州政府や裁判所のデータを検索する無料のツールを用意しています。学歴の詐称や、学位を金銭で売るDiploma Millが深刻な問題化している米国では、National Student Clearinghouse( http://www.studentclearinghouse.org/ )において、卒業や学位を検索できることも知りました。LexisNexis、Factiva.com、ProQuest Dialog等の紹介もあり、相手方のホームページ、地方図書館での情報、所属団体からの情報、ニュース記事等が重要な情報源となることを教えてくれました。しかしながらウェブデータは1970年代からしか存在しない事、複数の言語で検索することの必要性、記事には筆者のバイアスがかかっている事等を理解する事の必要性も強調していました。
 

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 別室での民間企業、政府機関、大学等のブースの出展も過去最高の数を更新しています。過去の不正に関する歴史的展示物「不正博物館(Fraud Museum)」も来ています。写真は、映画「Wall Street」でMichael Douglassが演じた投資家Gordon Gekkoのモデルと言われるIvan Boeskyが切った小切手です。
 
 
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  Book StoreではACFE創始者であるDr. Joseph Wellsが著書にサインをしてくれました。カンファレンスで彼に会えるのは今年が最後ですので、多くの会員が一緒に記念写真を撮っていました。(Dr. Wellsはスピーチの時以外は何時もアロハシャツを愛用しています。)
 

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 第2日目には19時から、Majestic Theaterを貸し切ってAttendee Network Reception(参加者交流会)があります。多くの他国の会員と知り合える良い機会となります。招待状には"Cowboy Boots Welcome, But Not Required(カウボーイ・ブーツ歓迎、でも必須ではありません)"と書いてありました。
 

カンファレンス・レポート 【1日目】【2日目】【3日目】

基調講演一覧

第24回 ACFE年次総会レポート


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