CFE(公認不正検査士)とは

ACFEが認定するCFE(Certified Fraud Examiner:公認不正検査士)資格は、不正の防止、発見、抑止の専門家として注目されており、組織内の不正撲滅への取り組みにおいてリーダーシップを発揮する存在です。

 

不正対策を強化するには、不正を犯す動機や機会、不正行為の正当化という3つの不正リスク要因を理解しなくてはなりません。経営者が中心となって強化する内部統制は、主として不正の機会の最小化を図ります。しかし、動機や正当化など人間の心理がもたらすリスクは制御しきれず、残念ながら不正をゼロにすることはできません。

 

従って、不正対策の有効性を高めるためには、内部統制による不正の未然防止に努めながら、不正の具体的手法、不正リスク顕在化の兆候への理解を深め、不正疑惑が生じた場合に的確に調査を進められる体制を整えておく必要があります。

 

公認不正検査士(CFE)は、そのような体制構築に貢献できる素養を備えたエキスパートの証として、世界の経営者、監査人に注目されています。

 

『会計』、『法律』、『調査』、『不正の防止と抑止』という4つの分野において、ACFEが設定する厳しい認定基準をクリアしたCFE資格者は、不正対策のあらゆる分野に高い専門知識を備えているプロフェッショナルとして、多発する会計スキャンダルを反映して、官民を問わず世界中の組織が従来以上にその能力に注目しています。

 

CFEのスキル

CFEは、不正対策のエキスパートとして以下の4分野に焦点をあて、専門的な知識を習得します。

 
「会計」(財務取引と不正スキーム)・・・不正は如何に実行・隠蔽されるか
「法律」(不正の法的要素)・・・どのような法的側面に留意すべきか
「調査」(不正調査)・・・不正疑惑をどう解明するか
「犯罪学」(不正の防止と抑止)・・・人はなぜ不正を犯すのか、どうすれば防げるのか

 

CFEの具体的な能力

  • 不正実行の手法および発見方法の解明
  • 不正な取引検出のための、帳簿、記録の精査
  • 情報収集能力
  • 効果的なインタビュー手法による面接スキル
  • 調査技法
  • 的確な調査報告書作成技術
  • 調査結果に基づく助言
  • 裁判における証言能力
  • 犯罪心理に基づく不正の動機をもたらした根本的な要因への理解

 

監査人の活動領域を広げるCFE

全世界に約7万5千人の会員を擁するACFEのナレッジ体系は、従来の監査とは異なる観点から形成されており、監査人の不正リスク対応能力向上に資するものです。さらにコンプライアンスやCSRへの要請が高まり、不正リスク対応の巧拙が企業価値に直結する時代を迎えて、CFEとしてのキャリアは不正調査という限られた領域から、経営者から現場のマネージャー層まで、内部統制を司るあらゆるポジションへと広がりを見せています。
 
「会計」「法律」「調査」「不正の防止と抑止」という独自のスキルセットを備えたCFEが、米国を初め世界各地で不正の防止、発見、疑惑の解明に貢献しています。
CFEは、不正が「どのようにして」起こるのかだけではなく、「なぜ」起きるのかにも着目してリスクの評価、対応を行います。世界ではCPA,CIA,CISA等の監査エキスパートが、CFE資格の取得により自らのエンプロイアビリティを向上させています。
 
監査と不正検査の違い
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CFEに対する需要の増大

政府機関によるCFEの認定
2006年2月 GAO(米国政府会計検査院)は、CFEをフォレンジック監査・特別調査部門(Forensic Audits and Special Investigation Unit,:FSI)所属職員の必須資格に指定
2006年4月 FBI(アメリカ連邦捜査局)は、多角的特別捜査官採用サブ・プログラム(Diversified Special Agent Hiring Subprogram)のもとで、CFE資格を需要なスキルと公式に認定
2006年10月 DoD(米国国防総省)が、同省の規程においてCFEを国防総省会計専門職のための資格として認定することを公式に発表((a)Title10 United States Cord (USC),Section 1599d3,4,5)
2007年5月 RCMP(カナダ王室騎馬警察)が、CFEを警察内の不正調査官のための公式資格として正式に認定
2010年3月 ハワイ州の課税部ならびにテネシー州税務特別捜査課(Tennessee Department of Revenue's Special Investigations Section, SI)はACFEの 法執行機関パートナーシップ(Law Enforcement Partnership, LEP) に加盟したと同時に職員の採用、昇進の評価基準にCFE資格を認定
 
 

CFEの実績

●米国史上最悪となったワールドコムの会計不正事件を解明したのは、CFEであるシンシア・クーパーであった。彼女は元エンロンのシャロン・ワトキンズ、そしてFBIのコーリン・ローレイと共にそれぞれ自身の職場での不正を世に暴き出した「ヒロイン」として、TIME誌の2002年度「今年の人物(Person of the Year)」に選ばれている。

2005年、共和党に多額の寄付をしていた政商トーマス・ノー氏が、オハイオ州労災補償局から運用を受託した労災保証金約1300万ドルを共和党への寄付金に流用した事件がスクープされた。コインゲート事件として世間の注目を集めたこの事件の捜査において、スコット・クラークとエミー・ニューマンを含む6人のCFEが不正解明に重要な役割を果たしている。

米ナスダック元会長バーナード・マドフ氏による巨額投資詐欺事件で、早い段階から詐欺の可能性をSECに警告していた公認不正検査士(CFE)のハリー・マルコポロス氏が、2009年2月4日(水)米下院金融サービス小委員会で証言した。金融詐欺調査人であるマルコポロス氏は証言の中で、「彼ら(SEC)に史上最悪のポンジー詐欺の情報をプレゼントしたが、彼らはより重要な問題で忙しく、徹底的かつ適切な調査を実施しようとしなかった」と述べた。
その他、CFEは会計、内部監査、法律、コンサルティング、司法関係業務、リスクマネジメント、損失防止などの様々な専門分野において活躍しています。
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