企業実務家が語る不正調査の基本シリーズⅡ「企業における不正の見抜き方(不正手口とその兆候の早期発見)」
講義概要
不正調査の基本3回シリーズの第2回目、企業不祥事防止には早期発見と早期是正、それに続く業務改善・改革まで、一連の“経営PDCAサイクル”を企業文化→企業風土として定着させることが喫緊の経営課題と考える。一つの不正の兆候からは複数の不正手口の可能性が示唆されるが、他方、一つの不正手口からは何らかの不正の代表的な兆候も現れるので、これを見逃さず、専門的な不正検知や不正調査・監査を粘り強く試みる必要があろう。
更に、企業不祥事の根本原因は何か、これ迄不足していた“攻めの企業活動”は一体何か究明されねばならない。昨今、不祥事原因の多くは、今回取り上げる企業風土そのものがあげられ、また、全社的リスクマネジメント(ERM)の脆弱性に収斂される傾向がある。いずれも、企業としてこれらへの経営資源の優先的配分は相対的に低いと考えられてきたが、現状の延長線上の施策で終わることなく、ダイナミックな“新しい第一歩”を踏み出さない限り何も変わらない・・・。この為、真の原因究明にはERM視点からの “本格的な企業風土監査”が必須であると考える。
講義内容
・業種別重大企業不祥事例
・発見の難易度評価
・「不正手口と兆候の早期発見」(代表事例)
・会計不正とその兆候の早期発見
・循環取引と兆候の早期発見
・企業不祥事防止に向けて 抜本的対策の提言 <次世代GRC>
・新 COSO ERM <2017年9月>
・企業不祥事防止に向けて 全社的リスクマネジメント(ERM)高度化への考察
・企業価値向上と企業不祥事防止を狙った 新 ERM戦略<試案>
・企業風土監査の具体例
・企業文化と企業風土の違い
・デジタルフォレンジック専門家の活用
・不正対策専門家の資質と姿勢(経営幹部級)
◆参考情報の提供
日本の経営倫理の歩み/職業倫理(企業における技術者倫理の必要性)/コロナ過・DXの影響/リスクの顕在化/不正リスク管理プログラム ―具体的事例(緊急対策)への試み―/企業不祥事防止への提言 次世代GRC構築/上場会社における不祥事予防のプリンシプル
講師紹介
吉田 邦雄 (よしだ くにお) 氏
(一社) 経営倫理実践研究センター(BERC) 上席研究員
(株)経営監査研究所所長
公認不正検査士
主な経歴
中央大学法学部卒業、富士ゼロックス(株)入社。法務、経理、企画、生産畑を歩み、生産企画部(部長)、経営監査部(部長)、(株)テクノル監査役、 長野ゼロックス(株)監査役、(株)ポーラ・オルビス ホールディングス内部監査室(部長)を歴任し、現在に至る。
日本監査研究学会会員及びACFE JAPANアドバイザリー委員会委員歴任。
現在、日本内部監査協会「実務演習」及び「内部監査士認定講習会」講師。
トヨタ自動車等大手民間企業、財務省等中央官庁、神戸大学等大学大学院、日本公認会計士協会、日本監査役協会、日本公認不正検査士協会、企業研究会等への講演/執筆/コンサルティング活動を行っている。
主な執筆
- 2002年 貫井陵男著『企業経営と倫理監査』への寄稿 同文舘出版
- 2002年『月刊監査研究8月号』 “経営監査モデル構築への一考察”発表
- 2004年『富士ゼロックスの倫理・コンプライアンス監査』東洋経済新報社発行
- 2006年『経営監査機能強化とグループ会社監査体制の確立』企業研究会研究叢書分担執筆
- 2006年『月刊監査役8月号』『日経情報ストラテジー9月号』 “日本版SOX法対応に関する緊急提言”共同執筆発表
- 2014年 BERC季刊誌 『経営倫理』”統合報告の戦略的意義“寄稿
- 2015年「月刊監査研究8月号』 “経営監査の高付加価値化”<CSVと経営監査>発表
- 2017年「月刊監査 研究4月号』“経営監査から見た不正防止への考察”発表
- 2017年『月刊監査役7月号』監査役全国会議パネルディスカッション登壇“内部監査部門との連携強化”寄稿他
主な講演
- 日本内部監査協会「2003〜2004年度基礎演習コース」
- 「2005年〜2022年度実務演習Ⅰ基礎」、
- 「監査役監査研究会2005年2月・3月例会」等の各講師及び「2006〜2022年度内部監査士認定講習会」講師、
- 公認内部監査人「CIAフォーラム」招聘講師、
- 経営倫理実践研究センター[BERC]監査部会及び不正調査研究会上席研究員。
- 企業研究会「これからの経営監査を考える会」運営幹事歴任、
また、トヨタ自動車G、ソニー、資生堂等上場大手企業研修会、神戸大学大学院(経営学研究科)、法政大学大学院(イノベーションマネジメント研究科)、日本公認会計士協会、日本監査役協会、日本公認不正検査士協会等における講義・講演実施。