経営倫理の浸透・定着と内部通報制度
-共感を得るリーダーシップも含めて-
講義概要
企業の不祥事が絶えない中、果たして組織にある内部通報制度が機能しているか疑問です。
令和の時代を「企業経営の新たな夜明け」とするためにも、企業の持続可能な発展を支える視点から、今後は内部通報制度が有効に機能することがますます重要になってきます。
本セミナーでは、その制度の入口部分である「相談機能」による不祥事の未然予防と、万一発生した時でも被害を最小限度におさえる「通報機能」について解説します。あわせて、その制度に対する従業員や役職者へ「安全・安心」を提供する「認証制度」について、様々な企業の事例を含めて解説するとともに、不正対策・不正調査に携わる者の果たすべき役割を提起します。
講義内容
第Ⅰ部 持続可能な発展をめざす経営倫理
1.相次ぐ企業不祥事
2.不正のトライアングル
3.求心力を高める経営理念
4.経営倫理の浸透・定着に必要なこと
5.コミュニケーション活動の重要性
第Ⅱ部 安全・安心が決めて、組織を守る 事前の悩み“相談”・事後の異常“通報”
1.「内部統制の最後の砦」内部通報制度
2.消費者庁、内部通報制度認証の導入
3.内部通報制度の現状と、認証制度の展望
4.認証マーク取得の効果 (守りと攻め)
5.コンプライアンス、内部相談・通報体制の浸透・定着に向けて
6.他企業の事例からの学習
第Ⅲ部 部下や仲間を支援し、共に育くむ サーバント・リーダーシップ
1.コンプライアンスへの取り組みは、トップのコミットメント (宣言) が重要
2.コンプライアンスの実践とサーバント・リーダーシップ (部下を支援する精神)
3.風通しの良い組織文化
4.「共感 (Sympathy) の思想」
5.倫理的な企業文化が求められる
講師紹介
水尾 順一 (みずお じゅんいち) 氏
一般社団法人日本コンプライアンス&ガバナンス研究所 代表理事・会長
駿河台大学 名誉教授、博士 (経営学)
主な経歴
株式会社資生堂、駿河台大学 経済学部 教授、駿河台大学 大学院経済学研究科 教授を経て、現職。 株式会社ダイセル 社外監査役、株式会社西武ホールディングス 企業倫理委員、経営倫理実践研究センター 首席研究員など。
主な書著
- 「サスティナブル・カンパニー:「ずーっと」栄える会社の事業構想」(宣伝会議, 2016/8)
- 「マーケティング倫理が企業を救う」(生産性出版, 2014/9)
- 「CSR で経営力を高める」(東洋経済新報社, 2005/7)
- 「渋沢栄一に学ぶ「論語と算盤」の経営」(編著)(同友館, 2016/5)
- 「上杉鷹山とイノベーション経営」(共著)(同友館, 2020/5)