- 2019 年 9 月 12 日に開催したセミナー「不正調査のプロが伝授! ヒアリングテクニック ~不正実行者の虚言を見抜き真相に迫る~」をより分かりやすく編集しなおしたセミナーです。同セミナーと内容の重複があります。
不正調査を成功に導く手順とヒアリング・テクニック
講義概要
多くの企業で不正やハラスメント等の端緒を得る機会が増え、社内調査を求められる事例も増えています。客観的資料の収集が重要であることはいうまでもありませんが、やはり今でもヒアリングが調査の中心的手法です。しかし、実際のヒアリングでは、単刀直入に聞きすぎて否定されて困惑する、不合理を非難して対立してしまう、そもそも何をどういう順番で聞けば良いか分からないなど、苦労をされる方も多いのではないでしょうか。
本セミナーでは、長年、法執行機関・行政機関で捜査・調査に従事し、また弁護士としても数々の不正調査を行ってきた講師が、自らの経験に基づいて、「今からすぐ実践できる」を目標に、ヒアリングに焦点を当てて、その心構えや、ヒアリングの目的に応じた具体的なヒアリング手法やヒアリングを成功に導くための事前準備のあり方について、丁寧に解説いたします。
追及をするための手の内という事の性質上、ヒアリング手法を解説する教材は乏しいのが現状です。本セミナーが皆様のヒアリングスキルの向上に少しでも役立つよう、具体的設題とその検討をまじえながら体系的に解説いたします。
講義内容
第1部:基礎調査における証拠収集の重要性と分析のポイント
- 調査の端緒とその特徴
- 初動を怠ることの怖さ
- 「出口」から見た徹底調査の必要性
- 調査初動の心構えの重要性
- 初動調査:客観資料保全の重要性
- 不正調査を成功に導く手順
- 客観資料の分析のあり方
- 設題と検討
- 客観資料の収集と分析のポイント
第2部:本格的な調査へ移行する際の調査計画策定の在り方
- 本格調査のための社内コンセンサスの獲得
- 調査着手報告書の記載要領
- ヒアリング計画の策定
- 設題と検討
第3部:本格調査の中心となるヒアリングのテクニック
- ヒアリングの意義・重要性
- ヒアリングの心構え
- ヒアリング技法と設題の検討
- ヒアリング技法のまとめ
- 調査結果と出口の検討
講師紹介
吉野 弦太 (よしの げんた) 氏
のぞみ総合法律事務所 パートナー 弁護士
主な経歴
平成 12 年 (2000 年) 検事任官。
検事として,主に特捜部や特別刑事部にて,贈収賄,談合,脱税,粉飾決算,横領,政治資金規正法,公職選挙法等の政治経済財政事件の捜査に従事。
法務省の訟務検事として,国が被告となる訴訟の国側法廷代理人を務める。
金融庁証券取引等監視委員会にて,企業の不公正ファイナンス,適時開示違反,インサイダー取引,相場操縦等数々の金商法違反事件で調査を指揮。
平成 28 年 (2016 年) 弁護士登録。
企業の危機管理や不祥事対応に従事すると共に企業の調査技術を強くするのをモットーに,社内調査の具体的なノウハウを伝授。調査特化型ではなく,その後に続く人事措置,公表措置,再発防止策の策定,法的措置対応など最後の出口までトータルでサポート。