企業の不正対応の制度と活動を考える着眼点
~不正対策のグランド デザインとこれを稼働させる不正対応活動~

  • 2017 年度 日本内部監査協会 青木賞を受賞した 藤井 範彰 氏によるセミナーです。

講義概要

大手企業の不正事件が相次ぐ中、内部統制が整備された大企業でなぜ不正が起こるのかという疑問の声が聞かれます。その答えのひとつが、組織レベルの不正と業務レベルの不正という違いです。

ガバナンスや企業風土に起因する組織レベルの不正への対応は、業務レベルの不正とは異なり、不正のパターンやリスクの分析に加えて、組織の不正対策の制度の在り方をゼロ ベースで見直し、不正対応の関係部門や役職者の役割と活動の方向を見定めることが必要です。そのためには、組織全体の視点で不正対策を行う制度設計というハード面と、これに命を吹き込み実効性を与える不正対策活動というソフト面の、両方からの取り組みが重要です。

 

また、不正対策には「予防」「発見」「抑制」の 3 つの観点があるにもかかわらず、「発見」ばかりに目が向けられているという状況もあります。本当に見つけ出さなくてはならないような不正は巧妙に隠蔽されている場合がほとんどであり、現実に発見するのは困難です。不正に関連する知見は、その発見よりも、内部統制などの制度との照らし合わせによる不正リスク評価にこそ役立てるべきですが、そのような不正の「予防」に資する取り組みは、その必要性こそは理解していても、関心は低いように感じられます。このことは、不正事件において監査と調査を同列に扱うマスコミや有識者の様子からも感じられます。

 

本セミナーでは、旧来の内部監査の枠組みを踏み出し、業務監査だけではなく、制度や体制の有効性・実効性などにも踏み込み、より「人の行う不正」に対処できるようにするための取り組みについて、外部監査、内部監査、不正調査、監査役、それぞれの立場を経験した講師にご講演いただきます。

 

講義内容

1. 企業不正のパターン──日本企業に見られる特徴
  • 従来からの「ポテトチップ型」
  • 偽装という名の「フルーツ型」
  • 最近の「企業風土型」
2. 不正リスクとガバナンス・内部統制とのインターフェイス
  • 内部統制が整備された大企業でなぜ不正が起きるか
  • 不正のトライアングルで説明する企業風土型不正
  • リスク マネジメント理論が教える不正の根本原因:経営者の姿勢「Tone at the Top」
  • 欧米で不正の原因とされる「Blame Culture (非難文化)」と日本のパワハラ
  • 日本企業のガバナンス構造上の問題──法律論に出て来ない内部監査の機能、日本的経営と行動様式
  • 業務レベルで見た内部統制と不正のインターフェイス──いかに内部統制を突破したかを押さえる
3. これからの企業不正対策のグランド デザイン
  • 不正対策の 3 つの方向:予防・発見・抑制
  • 不正対策を実効させるハード (制度面) とソフト (活動面)
  • 不正対策の担い手──不正検査士 (CFE)、公認会計士 (CPA)、公認内部監査人 (CIA)
4. 不正対応活動 (不正リスク評価、不正監査、不正調査) の実務上のポイント
  • 不正リスク評価の考え方と留意点──欧米で推奨される平時のリスク評価
  • 不正対応の内部監査の進め方──不正の監査と不正調査とは似て非なるもの
  • 不正調査・通報対応のポイント
  • 内部統制レビュー──不正調査とはここが違う:不正発生後の内部統制レビュー

 

講師

藤井 範彰
藤井範彰公認会計士事務所 代表
UDトラックス株式会社 監査役
公認会計士、公認内部監査人 (CIA)、米国公認会計士 (US CPA)(inactive)
《 経歴 》
大手監査法人 (E&Y 及びアンダーセン) で 20 年近く会計監査に従事し、併せて監査法人内の会計監査アプローチの普及活動や公認会計士協会本部の委員会活動 (国際委員会 副委員長、会計制度委員会 副委員長、監査基準委員会 委員、他) にも専念。1999 年以降は、内部監査、内部統制、リスク マネジメント、不正調査等のアドバイザリー業務に特化し、アンダーセン消滅後も PwC (中央青山監査法人) で活動を継続。その後、J-SOX の制度化を前に復帰した新日本監査法人 (E&Y) では、内部統制支援本部統括部長、ビジネス リスク サービス部長、FIDS (不正対策・係争サポート) 部長等を歴任。2012 年、シニア パートナーを早期退任して、ボルボ・グループで日本の内部監査統括およびグループ会社であるUDトラックス株式会社の監査役に就任し、監査業務や不正調査を継続。現在も監査役業務の他に、藤井範彰公認会計士事務所の代表として内部監査や不正対応関連などの講演、研修、執筆活動に従事。
《 著書 》
  • 「内部監査のプロが書く監査報告書の指摘事項と改善提案」(同文館出版, 2016/11)(2017 年度 日本内部監査協会 青木賞 受賞)
  • 「経営者と会社を動かす内部監査の課題解決法 20」(税務経理協会, 2012/3)
  • 「内部統制の実務Q&A」(共編著, 東洋経済新報社, 2007/9)
  • 「会社法実践ガイド1 機関設計・内部統制」(共著, 中央経済社, 2006/7)
  • 「図解 リスク マネジメント」(共編著, 東洋経済新報社, 2001/5)
ほか
《 論文など 》
  • 「内部監査のアシュアランスの本質論~ゼロベースで考える内部監査の監査意見の書き方」(日本内部監査協会「月刊監査研究」2018年7月号 (Vol.44, No.7))
  • 「内部監査報告書の本質論と実務対応~監査の指摘事項と改善提案をめぐる問題~」(日本内部監査協会「月刊監査研究」2017年5月号 (Vol.43, No.5))
  • 「海外監査の検討課題――成熟度レベルに応じた問題認識と対応」(日本内部監査協会「月刊監査研究」2013年11月号 (Vol.39, No.11))
  • 「リスク・マネジメントに対する内部監査の対応――最適化シナリオに向けて」(日本内部監査協会「月刊監査研究」2012年3月号 (Vol.38, No.3))
  • 「日本版 SOX 適用年度の評価体制に向けて」(日本内部監査協会「月刊監査研究」2008年1月号 (Vol.34, No.1))
  • 「内部監査見直しのためのミッションとアプローチの整理」(日本内部監査協会「月刊監査研究」2005年10月号 (Vol.31, No.11))
ほか

日時・会場・受講料・CPE

【 日時 】 2018 年 9 月 20 日(木) 13:30~16:30
備考:2018/6 開催分より、昼に実施するセミナーについて時間を変更しております。
【 会場 】

連合会館 4F 401 会議室

〒101-0062
東京都千代田区 神田駿河台 3-2-11
[地図 (公式サイト)]
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【受講料】 ACFE 会員 10,800 円、一般 16,200 円 (いずれも消費税 8% を含む)
【CPE】 3 単位 (不正検査 (損失防止))

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セミナースケジュール

私たちは、世界的な規模で不正対策に関するトップレベルのトレーニングを提供しています。
また、世界最先端の知識と実践的な問題解決策の提供を通じて、不正対策の専門家の方々が結束して不正防止・早期発見に取組めるよう支援しています。


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