第 29 回 ACFE 年次総会レポート (2 日目)

第 29 回 ACFE 年次総会(The 29th Annual ACFE Global Fraud Conference)レポート
by ACFE JAPAN 事務局
於:Mandalay Bay Resort and Casino, Las Vegas, NV

カンファレンス レポート

2 日目 レポート(6 月 19 日 火曜日)

Clare Rewcastle Brown 氏による基調講演の様子 (スクリーン越し)
Clare Rewcastle Brown 氏による基調講演の様子 (スクリーン越し)

マレーシアの 1 マレーシア・ディベロップメント・ブルハド (1MDB) の汚職を暴いた調査ジャーナリストのクレア・リューカスル・ブラウン (Clare Rewcastle Brown) による基調講演でした。彼女は、「サラワク・レポート (Sarawak Report)」で当時のマレーシア首相ナジブ・ラザク (Najib Razak) の汚職疑惑を暴きました。

マレーシア政府と捜査当局は「サラワク・レポート」の報道は犯罪行為にあたると言い、彼女が滞在していた英当局へ送還要請を行いましたが、英当局は応じなかったそうです。

その後、ラザクの汚職を証明する証拠が次々と報道され、最終的にラザクは退任に追い込まれました。総選挙で、マハティール政権に交替したことで、ブラウンの逮捕状 (有罪であれば懲役 25 年の可能性があった) は撤回されました。逮捕状が出されていた間、彼女は脅迫、ハッキング、ストーキング、ブログの閉鎖などの妨害を受けました。しかし、彼女はそれらに屈することなく不正と闘った信念の強い調査ジャーナリストです。

 

Bryan Fogel 氏による基調講演の様子 (スクリーン越し)
Bryan Fogel 氏による基調講演の様子 (スクリーン越し)

ロシアのドーピング疑惑を暴くドキュメンタリー映画「ICARUS (イカロス)」の監督であるブライアン・フォーゲル (Bryan Fogel) のアグレッシブな講演でした。

どのようにロシアのすべてのスポーツ選手がドーピングを 40 年間も続け、なぜ ICO がドーピング検査でそれを見抜けなかったかを、映画のいくつかのシーンを見せながら、ロシアの国家的なドーピング不正の全貌について語りました。

 

分科会
分科会 "Professional Development Panel: Benchmarking and Improving Your Anti-Fraud Program" のパネリストたち

午前中の分科会 (Breaking Session) では、"Professional Development Panel: Benchmarking and Improving Your Anti-Fraud Program" (不正対策プログラムのベンチマークと改善) を選択しました。

このセッションは、パネル ディスカッションの形式で行われ、どのように不正防止プログラムを構成すべきか、そのプログラムをいかに機能的に継続させていくかについて、不正防止のプロフェッショナルである 4 人が意見を述べました。

モデレーターは、ACFE 職員であるベスマラ・ケスラー (Bethmara Kessler)、パネリストは、監査法人 Grant Thornton LLP のディレクターであるリンダ・ミラー (Linda Miller)、Microsoft ファイナンシャル インテグリティ ユニットのシニアディレクターであるリン・キャメロン (Lyn Cameron)、監査法人 Cotton&Company LLP の会長であるデイブ・コットン (Dave Cotton)、Fraud&Risk Industry Consulting SAS Entertainment のディレクターであるジェームス・ルトロ (James Ruotolo) でした。

 

大手企業の信頼回復のために行った企業文化・風土の変化についてのパネル ディスカッションの様子
大手企業の信頼回復のために行った企業文化・風土の変化についてのパネル ディスカッションの様子

ワーキング ランチ セッションは、パネル ディスカッション形式で危機に陥った大手企業の信頼回復のために行った企業文化・風土の変化についての講演でした。

モデレーターは、The Mach1 グループの創始者で、クライシス コミュニケーションとレピュテーション マネジメントの専門家であるキャスリン・マクレイン (Katherine McLane)、パネリストは、ウェルズ・ファーゴ銀行のコンダクト マネジメント管理責任者であるテレサ・ラプラス (Theresa LaPlaca)、シーメンスの前チーフ コンプライアンス オフィサーであり Pohlmann & Company のパートナーであるアンドレア・ポールマン (Andreas Pohlmann)、ブラジルの石油会社 Petrobras の前チーフ コンプライアンス&ガヴァナンス オフィサーであるジョーオ・エレク (Joao Elek) です。

不正な口座開設などによる大規模な不正営業で罰金 10 億ドルを命じられたウェルズ・ファーゴでは、信頼回復のために、まず従業員の倫理観や考え方についてのサーベイが行われました。それによりどのように企業文化を変えるべきかを考え、ミドル層がリーダーとなり、チームで従業員の倫理観を共有し、コミュニケーションを多く取らせているとのことでした。

企業の事業内容や国の政治によっても対応の仕方が変わる印象を受けました。

 

分科会で講演する Jonathan Marks 氏
分科会で講演する Jonathan Marks 氏

午後の分科会では、"Management Override of Controls" (マネジメントによる統制の無効化) と "A View From the Inside of a Corporate Investigations Function" (企業内調査部門からの視点) を選択しました。

"Management Override of Controls"では、監査法人 Marcum LLP のパートナーであるジョナサン・マークス (Jonathan Marks) が熱い講演を行いました。内部統制の無視は、シニア マネジメント層が引き起こしやすい不正だということです。

「人は上司に逆らうこと (盾突くこと) を恐れるものだ」。それは当たり前の考え方であると述べられたことが印象的でした。どこの国でも上司の不正を暴くのは勇気のいることだと痛感した講演でした。

 

分科会で講演する John Stanley 氏
分科会で講演する John Stanley 氏

"A View From the Inside of a Corporate Investigations Function" では、CFE として 20 年以上の調査とフォレンジック会計の豊富な経験をもっているジョン・スタンリー (John Stanley) が登壇しました。

ダラス、テキサス、東京の PwC フォレンジック サービスでコンサルタントとして活躍し、現職に至るまでの彼自身の経験や経歴をもとに、機能的な企業調査について述べました。

最後は、最新のデータ分析のシステムが紹介されました。

(報告者:ACFE JAPAN 事務局)

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