最終更新日:2013-11-22
(1)2013 ACFE ASIA-PACIFIC CONFERENCE レポート
レポート1日目
11月21日(木)シンガポール、マリーナベイサンズに於いて2013年ACFE ASIA-PACIFIC CONFERENCE がスタートし、全世界から200名以上の参加者が集いました。ACFE JAPAN 小川真人理事、脇山太介理事も参加されました。午前中、言葉を交わした人の中にはモルディブから参加された方もいて、協会活動の広がりを実感しました。
初日の基調講演は、WHY FRAUDSTER ARE TARGETING THE ASIA-PACIFIC REGIONと題し、これまで27冊もの書籍を出版した著名な作家JEFFREY ROBINSONが講演しました。なぜ不正実行者はアジア・パシフィックを狙っているのか。ROBINSONによると、金が集まるところに不正が起こり、さらに不正の被害に遭っても企業の評判が落ちることを懸念し、警察に通報しないことが不正を誘発すると述べました。

分科会(1) THEFT OF TRADE SECRETS
KROLLのSENIOR MANAGING DIRECTORであるTADASHI KAGEYAMAは、14年以上クロールで勤務し、ご自身が携わった調査の事例をいくつも紹介しながら、職業上の不正には、営業秘密の漏えいによる損失も軽視できないと講演しました。紹介した事例の中には、インターンに扮した競合の社員に、ノウハウを盗まれてしまった、というお話もあり、ただただ衝撃を受けました。
営業秘密漏洩により、株価や売り上げが減少する企業もあり、これらの損害を防止するには、自分の企業が属する業界特有のリスク、国や地域特有のリスク、過去に起きた事件の事例をよく知ることなどが重要だと述べました。
分科会(2) PROCUREMENT FRAUD: WHAT TO WATCH OUT FOR IN ASIA
ヨーロッパ、アメリカ、アジアでの不正調査に豊富な経験を持つPRICEWATERHOUSE COOPERSのDIRECTORであるMARK BROWNとMICHAEL SKYUMにより不正購買に関する講義が行われました。不正購買はアジアだけでなく、世界的に関心が高く、本セミナーは立ち見がでるほど人気のある講義でした。
本講義でもまた、数多くの調査事例が紹介されました。頻発する不正購買の事例の中には、シンガポール内で大量に購入されたケーブルが倉庫に納品された証明書が残っているにもかかわらず、その後大量のケーブルが忽然となくなったという話がありました。結局疑わしい容疑者も現れず未解決のようです。
アジアにおける不正購買が頻発する要因として、データがまだまだ手入力されていること、同じ業者と長年付き合いがあること、物品の流れが明確に書類として保管されていないことなどが挙げられていました。
分科会(3) RECOGNIZING AND AVOIDING THE PITFALLS OFSTATE SECRETS IN CHINA
中国でロースクールに通い弁護士活動を行っているEDWARD EPSTEINは、中国の国家機密に関する法律について解説をしました。
中国では、国家秘密法に国家機密の定義が明確にされていない代わりに国家のセキュリティや利害を損なう恐れのある情報は、時として国家機密に分類され、調査の際に、国の制限により入手できないこともあるそうです。
CFEが中国で調査をする際に危険信号となるチェックリストでは、対象者の中に国・地方政府及びその関係者が存在するのか、または当該対象の株主が存在するか、対象者に関連した情報が第三者によって入手されたのか否か、などが示されました。

英語の勉強にもなった懇親会でした。
ACFE Japan事務局 今村淳子
2014 Asia-Pacific Fraud Conference レポート
2013 Asia-Pacific Fraud Conference レポート
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